社長メッセージ
自分が作ったものに絶対的な自信と誇りを持つ!
“町工場の魂”を次世代へ
新しい風を吹かせて町工場の3Kイメージを刷新
創業は1945年。当時の町工場はいわゆる3K(きつい・汚い・危険)で、家族経営が一般的な時代でした。でも現在は、業界を取り巻く環境が大きく変わっています。
弊社も私が社長に就任した2012年以降、労働環境を改善しながら古い体制を抜本的に改革してきました。家族経営をやめて若い人材を積極的に採用し、その育成にも力を入れています。昔の職人は寡黙で「技術は見て盗め」と言われたものですが、その体質はもう古いですよね。今でも手作業が必要なところはありますが、機械が使えるところはデジタル化し、より速く綺麗に正確に作業することを目指しています。
作るだけでなく提案できる町工場へ進化
近年、金属加工は中国などが価格競争力で優位に立っていますが、日本で作れる品物もまだ多くあります。とくにプラントの心臓部に関わるものは、技術の国外流出を防ぐためにも、信頼のおける国内の工場にまかせたいというメーカーが少なくないのです。
2017年にはエンジニアリング事業部を新たに立ち上げ、プラントの設計段階から製作~搬入据付まで全工程を請け負える体制を整えました。頼まれたものを作るだけでなく、加工の提案もできる会社へと進化しています。
ただ、私たちは大手になろうとは思っていません。むしろ「町工場の魂を絶対に忘れてはいけない」と社員に日々伝えています。それは、自分が作ったものに絶対的な自信と誇りを持つということ。我々はどんな難題にも「できません」とは言いません。全力で課題にぶつかって、どうにか解決しようとできるかぎりの努力をします。それが町工場だからできる最たることではないでしょうか。
「これしかできない」ではなくて「その先までやりたい」と言える逃げない会社でいること。「ものづくりなら、エフエスだね」と言ってもらえる会社であり続けたいと思っています。
円滑な世代交代で百年企業へ
私が社長になって約10年。当時採用した社員も30~40代になり、彼らにまかせる業務が増えてきました。うまく世代交代が進みつつあり、最近は「社長はあまり前に出てこなくていい」なんて言われることも(笑) そんな社員たちを「強くなったなあ」と自慢に思いますし、ただただ彼らと共に「強くいたい」という気持ちです。
今後、会社がどう変化するかは世の中の動き次第。会社としての大きな目標は決めていません。そもそも会社はずっと進化し続けるものですから、ゴールという終点はないし、むしろゴールを設定してはダメだと思っています。
世の中の変化へどう対応するのが正解なのか、あれこれ試してみないとわかりません。だから、新しいことや面白いことを考えて、実際にやってみる行動力を持っている人が好きですね。幸い今はそういう社員がそろっています。今後は若手や中堅社員が中心となり会社の未来を拓いていくでしょう。日本のものづくりを絶やさないためにも、常にチャレンジし続ける会社でありたいと思っています。
次世代を担う社員たちが思い描く
「これからのエフエス」
専務取締役 古岡 優希 氏
エンジニアリング事業部では商品の設計もできるので、いずれは自社のオリジナル商品を作りたいですね。私が入社して10年の間に会社や業界は大きく変わりましたが、まだ昔の3Kのイメージを持っている人もいますし、そもそも工場は外から見えないので何をしているかよくわからないという方も多いようです。ですから、もし家庭用のオリジナル商品などを作ることができれば、会社のイメージをわかりやすく外部へ伝えられ社員も自分の仕事により誇りを持てるはず。いつかは「工場で働く」ことが、子ども達の「将来の夢」として挙がるようなポピュラーな職業の選択肢になってほしいと思っています。
エンジニアリング部 主任 S 氏
エンジニアリング事業部では、現在おもに飲料・食品プラントの設計から製作・工事までを請け負っています。今後はさらに多くのお客さまに対応していきたいと同時に、業界の幅も広げたいと思っています。医薬品メーカーのような より高い技術水準を求められる業界にも挑戦していきたいですね。そのために提案力や技術力をさらに磨いていきたいです。
金属加工事業部 S 氏
新しいことにチャレンジする一方で、町工場にしかできないことは守り続けていきたいです。例えば小回りが利く対応力。弊社の規模ですと、担当者を介してすぐにお客さまの顔が浮かぶので「困っているなら、なんとかしたい」という気持ちが自然と強くなります。私たちの仕事の真の目的は、ものを作ること自体ではなく、その先のお客さまの仕事を成功させること。そのことを常に意識しています。
すぐに動けるのは町工場で働く醍醐味だと思っています。